社会学とは何か 意味世界への探究
人間が見出した「意味」から構成される世界を探究することの面白さ、奥深さを明快に論じる。19世紀半ばの創設以来、時代が抱える課題を引き受けて発展してきた社会学は、近代化や産業化、階級や社会変動による劇的な変化をうけて大きく変容している。本書は、社会を人々の「意味世界」として存在するものとし、社会学のあるべき姿を探究するとともに、社会とはいかなるものかを検討する。
第1章 意味世界としての社会的世界
1 斜めに構えるのが社会学?
2 文化・社会を研究することの「客観性」問題
3 社会的世界の特性
第2章 社会はいかにして可能か
1 他者問題―人はいかにして他者を他者として認識するか
2 いかにして社会は可能か
第3章 秩序問題という問い
1 共同性とは
2 秩序問題
第4章 事実性と規範性
1 社会秩序とは何か
2 経験的問いと規範的問い
3 社会的世界の規範性
第5章 ミクロ―マクロ生成論の試みと挫折
1 相互作用を通じてのマクロの生成?
2 シンボリック・インタラクショニズム
3 自生的秩序論
第6章 階級と権力の意味的秩序
1 階級とは何か
2 高田保馬の階級と勢力
3 ブルデューの象徴権力と文化資本
第7章 社会システムは存在するか
1 会社というシステム
2 機能主義の何が問題だったか
3 フィクションとしての社会システム
第8章 経験主義と外的視点の限界
1 理解社会学という方法
2 シュッツにおける現象学という名の経験主義
3 社会学の客観性問題
4 外的視点の限界
第9章 規範的社会理論への展望
1 リベラリズムの挑戦
2 リベラリズムをめぐる争点
3 規範的社会理論はいかにして可能か
第10章 共同性の学としての社会学
1 社会学とは何かという問いの意味
2 秩序構想としての社会学はいかにして可能か
3 共同性への探究
あとがき
参照文献
索 引